2003年10月07日
035:雲長(メカ屋さん)
「ミステリー講座」
こんにちは。全仲連入会目前の雲長です。
さて、TAMA先輩からリレーコラムのバトンを受けたわけですが…。さあどうしよう、私にはネタとなるマイブームがない。せっかく暖めていたネタも既に他の人が使用済み…。
まぁ仕方がないので今回からは自分の趣味の紹介でもオッケーという方向でいきましょう。文句があるならジャイアン主義の俺様がいつでもお相手します。
と、いうわけでイエローマジックオーケストラ、オークランドレイダース、カンフー映画のチンピラ役と数少ない私の趣味から今回はミステリーを選んで紹介したいと思います。これを読んで立派な「自称ミステリー通」を目指しましょう。
■ミステリー講座初級編【ミステリー用語】
「今年の乱歩読んだ?いまどきクローズドサークルのフーダニットものってめずらしいよな。船長室の伏線は気づいたけど、海岸線のミスリードには気づかなかったなぁ」
と、普段ミステリーを読んでいない方には一体何を話しているのかサッパリ分からないでしょう。ミステリーの世界にも他の趣味と同様に独自の言葉があります。キングやクイーンと言ったらそれは王と女王でなく作家の名前。そんなミステリーの専門用語をちょっとだけ紹介してみましょう。
○フーダニット:Who has done it?(だれがやった?)の意。犯人探しに重点が置かれた作品。不自然なくらい容疑者全員にアリバイがある。
○ハウダニット:How has done it?(どうやった?)の意。トリック暴きに重点が置かれた作品。トリックの分類までしている作家がいるくらい密室殺人が典型。
○ホワイダニット:Why has done it?(どうしてやったの?)の意。動機当てに重点が置かれた作品。社会派ミステリーや警察ものに多い。作者都合も多い。
○コンゲーム:Confidence Gameの略。信用詐欺。往々にして詐欺犯罪がユーモラスに書かれている作品が多い。私が一番好きなジャンル。
○倒叙もの:今ではいきなり犯人をバラしちゃう作品を指す場合が多い。犯人が刑事や探偵に追いつめられていく様を楽しむ。「しむらー!うしろー!!」ってな感じで。
○安楽椅子探偵:決して現場には行かず、人から聞いた話だけで事件を解決する探偵。一歩間違えると冤罪の嵐。
○叙述トリック:文章の工夫で読者に勘違いを起こさせる筆者が仕掛けるトリック。読者に対しフェアであることを強く求められ、失敗すると目も当てられない。
○クローズドサークル:孤島や吹雪の山荘など外部から遮断されている場所で起きる事件を扱った作品。約束事として携帯電話は圏外、電話線は切断されている。
○カーマニア:ミステリーの世界では車好きではなく作家ジョン・ディクスン・カーの熱狂的ファンを示す。
○乱歩:ミステリーの巨匠江戸川乱歩のこと。ただし、場合によっては江戸川乱歩賞受賞作品のことを指す。

写真はイメージです
などなど他にもいっぱいあります。これらミステリー用語を覚えておくと一体どんな時に役立つのか。次の中級編で紹介しましょう。
■ミステリー講座中級編【ミステリー会話】
「俺ミステリー好きなんだ」と言うとなぜか「へー、すごーい」という言葉が返ってきます。突然そんな事を言われても何て言ったらいいのか分からなくて適当に「へー、すごーい」とか言っている。これが真相です。確かに私も「俺ガンダムの第一話から最終話までのセリフ全部覚えてるぜ」と言われたら「へー、すごーい」と応えます。
しかし、これではミステリーを読んでいる利点が全く活かされていません。ミステリーを読んで身に付けたニセ札の作り方、ドライアイスで合鍵を作る方法など豊富なムダ知識が台無しです。かといって「『海野十三』って何て読むか分かる?」などというセリフはご法度です。ミステリー好きならば普段の会話でさりげなく『73へぇ』くらいを稼げる会話をしましょう。
それでは例題です。
市井のおなご 「わぁ、雲長さんてミステリー好きなんですね」
雲長 「いやぁ、そうでもないよ。ミステリーマニアじゃないしね(※1)」
市井のおなご 「そんな事ないですよぉ。すごいですよぉ。」
雲長 「あ、そうそう。去年読んだ江戸川乱歩賞の○○が映画化されるんだって。
コンゲーム(※2)だから面白いよ。どう?今度一緒に観に行かない?」
市井のおなご「わぁ嬉しぃ~。それ私も観たいと思ってたんですぅ」

俺様の夢世界。どうでもいいけどすごい鼻毛
はい、素晴らしい妄想ですね。ポイントは
※1.自分は「ミステリーマニアではない」と宣言。
→相手が本物のミステリーマニアだった場合に太刀打ちできないからです。
※2.「コンゲームだから…」と専門用語を入れる。
→相手が知らないであろう専門用語で目くらまし。マヌーサ効果。
です。以上のポイントを踏まえていざ実践。
電話番号を知りたい町娘「ミステリー?ミステリーって殺人事件が起きて探偵が出てきて犯人当てちゃうあれでしょ?」
雲長 「いや、そういうのだけがミステリーってわけじゃなくって…」
でも教えてくれない町娘「しかも湯煙OL美女三人組なんか出てきてウヘヘのヘェーってやつでしょ?」
雲長 「い、いや。他にももっと『コンゲーム』とか…」
つけいる隙もない町娘「えっ?!何ぃ?コンゲームぅ?・・・笑点の人?」
雲長 「そりゃ『こんぺーでーす』だろ…」

これが現実。雲長さんボッシュートです。
はい、町娘を相手に攻城戦敗退です。しかも実話。結論としては『ミステリー好きが世間で役に立ったことは一度もねーよ!』といったところでしょうか。それではいよいよ上級編に移ります。
■ミステリー講座上級編【マイルール】
ミステリーを読み漁っていると時々出くわすものがあります。それは通称『壁本』とか『地雷』と呼ばれるものです。ミステリーに限らず読書の世界ではよく用いられます。『地雷』は不謹慎なので私は『壁本』を好んで使うのですが、『壁本』とは即ち「内容にあまりに納得できなくて思わず壁に投げつけた本」のことです。ゲームの世界でいう『クソゲー』と同意語と思ってください。私はこれに出くわすと何故かゴダイゴのガンダーラを口ずさむ癖があります。ちなみに壁が受ける衝撃を数式に表すと、
隣家の騒音=
τ×本の厚み×本の値段×費やした時間×愛の国ガンダーラ
となります。ここで乗数τは著者あとがきによって変化する値です。特にトサカにきてしまうのが『ミステリー』と銘打っておきながら全然ミステリーでもなんでもなかった作品です。だってそうでしょう?ソニック君のゲームで遊ぼうと思って買って蓋を開けてみたら中に京都のヒゲ親父が入っていたら怒りますでしょう?

ユニクロの青龍円月刀2980円
また本以外にも、
「また石野真子が犯人かよ!」と怒りを顕にして投げる新聞テレビ欄
「また家政婦が見たのかよ!」と男泣きをしながら投げるテレビ雑誌
「また湯煙美人OLかよ!」とGコード予約をされるビデオデッキ
などなどバリエーションも豊富です。では何故自分は怒ったのか。ふとそんなことを考えてみると自分なりのミステリーに対するマイルールが存在していることに気がつきました。そのルールを逸脱してしまった作品を私はどうやら壁に向かって投げつけているようです。『ヴァンダインの探偵小説作法20則』しかり『ノックスの十戒』しかり、ミステリー好きには各々マイルールが存在するのです。
それではマイルールを作るにはどうしたらよいのでしょう。それはひたすら多くの作品を読んで面白かったもの、そうでなかったもの双方を経験して自然と育んでいくしかないと私は思っています。そんなマイルールをあなたも持ったならば、すっかりミステリー中毒患者だと言えるでしょう。
マイルール…それはあなたのミステリーへのこだわり
マイルール…それはあなたのミステリーへの愛
マイルール…それはあなたの周囲から人が遠ざかる主な原因
以上で今回の講座は終わりです。次回は「100人乗っても大丈夫なシャボン玉の作り方講座」です。お楽しみに!
Q.E.D

ほら…声が…遅れて…聞こえるよ…
次回は最近バイクの大型免許を取得したWAKODONさんです
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